2022,07,10, Sunday
Macのような通常のPC世界とはやや毛色の違うコンピュータでは、Windowsの一般常識が通じなかったりします。 クリエイティブな業種でよく使われているというMacですが、Windowsと同じように使おうとするとすぐに問題にぶち当たります。 まあOSやハードの設計思想がWindowsとは違う=同じ宗教でも宗派の違いみたいなものなので、Macでセンス良さげにコンピューティングしたいというちょっと意識の高い人の希望をいとも容易く打ち砕いてくれます。 ボクもそのうちの一人でして、WindwosからMacには25年ぶりくらいに戻ってきてみましたが、旧Mac時代に培った信仰心がなければ即死だった、というくらいにはなったりしています。 やっぱりAppleに対する信仰心がモノをいうのですかね。 Macでは特に絵描きそれ自体ではなく、それに関するデバイスの対応状況がMacとWindowsでは大きく違っており、Windowsの絵描きデバイスをそのまま持ってきても対応していないだとかそういうことが起こったりします。 ボクが好んで使っているゲーミングデバイスの金字塔であるRazer Tartaus V2なんかがそれでして、Windowsでは最新ドライバが供給されているのに対し、Macに対しては旧ドライバしか対応しておらず、最新ドライバのリリース予定はないっぽという有様。 RazerにとってMacユーザはお客様ではない、といっているかのような厳しい仕打ちです。 ゲームに弱いと言われるMacでゲーミングデバイスを使っているという一番クリティカルな場所にヒットした形になりました。 それでも辛うじてmacOS BigSurまではRazerのドライバを使うことができましたが、最新のmontereyやそれ以降のOSではOSの仕様上間違いなく使えなくなるので、Macを使って絵を描いていくにはそろそろRazer以外の左デバイスを探さねばならなくなってきました。 上記はこれまでのIntelMacの話で、M1チップ以降のMacではそもそもが対応などしていないという事になります。 正直なところRazer社がM1Mac / 現行macOSに対応するドライバをリリースしてくれればいいだけの話なんですけどね。 それがないんだなこれが。 絵描きデバイス関連でネットを俯瞰してみると、所謂自作キーボードの延長上で、自作左手デバイスのようなものができるようになったりしているみたいです。 またプログラマブルキーボードというカテゴリとも重なりあうところもあるので、ゲーミングデバイスというものに固執しなければ選択の範囲が広がっていますね。 良い兆候です。 そういったことを踏まえてネット全般を鑑みてみると、気になったのがKoolertronのゲーミングキーボードでした。 最初Koolertronは香港の会社という情報をネットで見た気がしていたのですが、箱書きを見てみるとjiangsu province(パラドゲー的表現)となっており、これは江蘇省らしいです。 上海の近くですね。 型番はAE-AMAG50というらしく、ロータリーエンコーダ付き45キーというスペックでマクロ登録が24キー分使えるというので、つまりは約半分のキーをマクロで動かすことができます。 更にロータリーエンコーダー(ボリューム)が付いているので、絵描きには便利なのではないかと思います。 また、キー割り当てやマクロは全部本体内に記憶するので、ドライバソフトがなくともまた別のPCでも使うことができます。 これが今回のキモですね。 ゲーミングデバイスと謳っていますが、プログラマブルキーボード寄りの設計がされているデバイスといえます。 プログラマブルキーボードであれば、WindowsだろうがMacのOSが新しかろうが旧かろうがUSBデバイスとして認識すれば同じ動作結果が得られるのです。 Razer製品でいえば(Razerじゃないんだけど)Nostromo n52teがそれに該当するかと。 あの当時はなんで設定内容を本体内蔵のメモリに書き込まなきゃいけないんだ、書き込みに時間がかかり過ぎて使いにくい! と思っていましたが、それはあくまでWindows世界の中での話。 n52teのプログラマブルキーボードの思想はWindows世界オンリーだった当時は不必要な要素だったのですが、今のボクにはその要素が必要なのだと痛感しております。 時代によって要求される技術が変わってくるということでしょうかね。 つまり。 左手デバイスの最新macOSにはドライバ供給されない問題からの最終的解決は、なんとプログラマブルキーボードだったわけです!! でもまあ製品の信頼性や設定ソフトのサポート問題など、気にかかるところではありますが、RazerのMacに対するサポートがそもそもク○なので()、それ以上であれば今回はよいわけです。 現物を見ると、う~ん、となりますね。 Razerはソフトはアレですがモノの質は悪くはないですからね。 それから比べるとKoolertronのモノは、何段か落ちる感じではあります。 本体は切削加工で形を出しているようですが、仕上げ加工をせず荒加工のままのような切削痕がありますね。 仕上げ加工はマシンニングの軸の回転速度を変えて移動速度を遅くしてもう一回同じ軌道を回さないといけないから、コスト的にはやりたくないんでしょうね。 まあそんなところまで気にしない人が多いのかもしれないけど、つまらない経験があるとそういうところを見てしまうんですよね。これは本当に無駄。 でもこの価格でロータリーエンコーダ付きで更にプログラマブルキーボードなんだからまあコスパは悪くないのではないかと思います。 あとは設定次第ってところですかね。 おおっとここで致命的な問題発生! 普通のmacOSではこのamagという設定ソフトを起動することができません! なんだこれ酷すぎない? unix(macOS)やLinuxという異教徒の文化には精通していないのでよく分からないのですが()、どうもhomebrewとかいうパッケージマネージャーをインストールしないとこのamagというソフトが使えないようです。 このあたりが元引き記事なのですが。 謎のメーカー謹製英語PDFマニュアルを見て何度かインストールしてUSBドライバっぽいのを登録したのですが、残念ながらMac版amagは起動できませんでした。 今後の継続課題ですね。 とりあえずはParallels DesktopによるWindows10環境があるので、その仮想環境で設定していこうと思います。 今に始まったことではないのですが、Macを使うために何故かWindowsが必要という本末転倒な状況がよく希に起こります。 でもそれがあればMacをより楽に使えるようになるということもなんとなく分かってきました。 amagキーボードクライアントを立ち上げます。 Windowsの互換性の問題でUSB機器との通信ができなかったりしましたが、互換性マネージャーなんかで設定をしてやると動くようになりました。 これで設定ができる! 概要を説明すると、 構成1 / fn / 構成3 / 構成4 → キー割付のプロファイル(fnはfnキーと同時押しで動作) 構成1 → デフォルト(USBで認識した状態) ※構成3/4には戻れない? 構成3 / 構成4 → キー割付ができるので切り替えられる 行列 → キーの座標(X,Y軸) とても分かりにくいがあまり気にしなくともよい マクロ1~12 / 拡張マクロ1~12 → 他の左手デバイスでのマクロと同義 マクロはキー順番のみ記録(一部押下と解放も記録) 拡張マクロはキー押下時に遅延時間設定ができる つまりマクロ設定は24キーまでとなります。 この製品については全キーをマクロにすることはできません。 まあ1つか2つのアプリ専用の設定を作るのならこれで足りると思います。 もちろんロータリーエンコーダーの回り方向とクリックにもキー割り付けができます。 これが他のプログラマブルキーボード製品との違いですね。 現在のところのキー割り当てはこんなところです。 Photoshopだけでプログラマブル領域の8個しか使っていないので、Photoshop以外のソフト用の設定を追加することができます。 ただ、キーマップの切替が実質2パターンしかない(構成1=デフォルトがあるけど戻れない)事を考えると、複数のソフト用に設定を切り替えるという使い方は難しいでしょう。 ただ、単体キーにいろいろな機能(マクロ)を割り付けるのではなく、キーボードの延長上の考え方で、最初から複数のキーを使う(Command + 何かキー)を前提でキー割付をした方が効率がいいのではないかと考えるようになりました。 ところで。 このキーボードのキーキャップやボリュームのデザインはお世辞にもよくありません。 それに何故かShiftの位置とSpaceの位置のキーが()insとかShiftとかになってますし。 更に独自のキーやマクロの設定をしてしまっているので、キーキャップのプリント(この場合は透過文字)についてはあまり意味がありません。 特にロータリーエンコーダーのノブ(ボリューム)の質感があまりよくないです。 アルミ成形品なのでしょうが、もう少し質感の高い感じにしたい気がします。 これらを総合すると、キーキャップやボリュームはしょぼい作りなので、それらをセンス良くカスタマイズしていきましょう。 ロータリーエンコーダーなどは汎用品ですので、軸径が分かればオーディオ用のモノで代用できそうですし、冒頭で話したように自作キーボードブームが広がっている影響もあり、キーキャップなどはネット通販のあちこちで手に入れることができます。 AliExpressなんかを駆使した結果がこれ。 そんなわけでこのパーツを組み込んでみたいと思います。 まあ安物のキーキャップなので、角度が微妙に違うとか高さが違うとかそういう問題がおこったりしましたが、その辺りは今後また修正していきたいところです。 問題のロータリーエンコーダー(ボリューム)に関してですが、一応2種類を用意しました。 一つはアルミ削り出しのちょっと径が大きいもの。 もう一つは径が小さいもの。 これはかっこいい! 使った結果としては径の小さいものは親指と人差し指で摘ままなければ回せないということが分かり、摘まんで回すのは手間がかかる(面倒くさい)という事が分かりました。 親指の腹で回せる径の大きいアルミ削り出しのボリュームが作業効率的には良いと言うことになりました。 そして意味なくゲーミングっぽいUSBケーブルに交換しているという。 Razer製品への憧れが残っているのか? 予算がなくて全部のキーをプリントなしにできなかったとかそもそもキーの高さとかがあっていないとか安物買いのなんとやらという感じになってしまいましたが、多少は頑張った感が出ているんじゃないかと思います。 カスタマイズ初歩としてはまあまあの感じかなと自負しています。 Koolertron Mechanical Keyboard AE-AMAG50という macOS M1 / M2時代に対応する左手デバイスが手に入りました。 左手デバイスというかプログラマブルキーボードの方向性のデバイスなのですがこれの特徴としては ・Macというゲーミングデバイスには恵まれない環境 ・絵描きのソフトのショートカットという2〜3ステップの同時押しのある設定 ・ロータリーエンコーダーがついている ・それなりに安い Macで使える左手デバイスを必死に探していましたが、ゲーミングデバイスというよりはプログラマブルキーボードの類いにおいて良いと思えるデバイスを見つけることになりました。 願わくばKoolertron社がこれからもこのカテゴリの製品を末永く出し続けてくれることを祈るばかりです。
| ヲタク::PCとか | 03:24 PM | comments (x) | trackback (x) |
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