2014,02,09, Sunday
さて。 世の中には手間暇どころか資金や技術をも惜しまずに絵描き環境をよりよいものにしようという人が少なからずいるようです。 まだ液タブがはるか高値だった時代に板タブを分解し液晶パネルに貼り付けて(一言でいうほど簡単ではないのですが)自作液タブを作る人々や、タブレットの描き味を好みのものにするのに板タブの板面にPPC用紙やケント紙を張ったり、タブレットの芯をパスタに変えたり竹ひごに変えたり綿棒の軸に変えたり、はたまたステンレス削り出しの芯を自作する人々など、PCでの絵描きを追及する人々は枚挙暇がありません。 最近では液タブでの作業環境を改善するために、板タブを中心としたPC環境の構築を標榜する人々がいるようです。 その中にはアニメータのトレス台付きの机のように液タブを机に埋め込んで使えるようにしている人や、製図板のような感じで運用しようという人などが見受けられます。 まあだいたいは商業絵描きの人々だったりするので、それくらいの労力と投資をしてでも作業時間の短縮ができるのなら見合うのだろうと思いますが、ボクレベルの場末の絵描きでは労力はともかくスペース的な問題や何より資金的な問題などがあって、そのような要塞建設級レベルにまでは達することができません。 とはいえ、現状の液タブでの絵描き環境についてはまだまだ改善の余地がある(妥協するに忍びない状態がある)のは間違いないので、できるだけシンプルに尚且つ出費を抑えるような形でそれを実現したいと思います。 とりあえず今の液タブでの実作業での不都合点は結構あります。 Cintiqの板面がやたらと大きいので、筐体の外にあるRazerNostromoがやたら遠い位置になっていて、かなり手を伸ばさないと使えない状態になっています。 それでもまあ仕方ないなと思って使っていたのですが、Cintiqの両脇にあるホイールやファンクションボタンはほぼ使っていないので、これはある意味無駄なスペースであるわけです。 この位置にRazerNostromoを持ってくることができればもう少し使いやすくなるのではないのか、とは前から思っていたことです。 電網世界上ではCintiq筐体上にキーボードやトラックパッドを両面テープやジェルパッドなどで貼り付けてカスタマイズしている人なども見受けられます。 本来はそれが一番簡単なカスタマイズ法なのでしょうが、Cintiqをほぼ据え置き状態でつかっているのならそれでもよいのでしょうが、ボクの運用環境ではスペースの問題より使用時には傾け、使用しないときには机の奥に移動させ板面を直立にして格納しているので、表面にデバイスを固定してしまうとそれはそれで格納時に不都合になってしまいます。 以上の理由により取り外し前提の左手デバイス固定用のアタッチメント制作を企図します。 一番最初に思いついたのが、Cintiqの板面の上からフックみたいなのでRazerNostromoをひっかけてつかえるようにすればいいんじゃねーの?。 とにかくCintiqの上からひっかけるのを基本思想とします。左右からだと固定が難しいですしね。 つーことで早速地元のホームセンターで材料物色。 フックは色々とあるけど、そもそもCintiqの厚みなんて測ったわけでもないし、板面の端は厚みが違っていたりと面倒なことが多いので、単純にフックでひっかけられるようにするのは案外難しそうですね。 それにフックでひっかけられたとしてもRazerNostromoをどうやって保持するのか、その支持材を何にするのか?、とかいう問題が出ててくるわけです。 さらにホームセンターの材料コーナー(建材とかそういう関係の倉庫的なところ)を見回してネタになりそうなものを探します。 木材が安いし真っ先に思いつきますが、加工には向かないというか切ったり削ったりするのが面倒だし(笑)見た目的にもアレだしという理由で却下。 次にやはり見た目的には金属だよね、ということで金属コーナーに行きましたが、アルミやらの角材やらシートなんかもこれはこれで木材以上に加工が難しいというか専用の加工機械がないとできないので断念。シートだと薄すぎて加工以前の問題だし、2mm厚とかのアルミとかどうやって加工すんのよ?。 板金加工業だった時代ならいざ知らず、今となっては断念せざるを得ません(笑)。 つーことで消去法的に樹脂になります。 塩ビとかアクリルとか、1mm厚程度ならなんとか曲げられるんじゃねー?。 しかも妙に(塩ビ板なら)安いし。 よく見ると接着剤とか曲げ加工用のヒーターキットとか加工機械もそこそこ安価で揃えられる感じだし、塩ビ板の色もCintiqと同色の黒もあるから、見た目的に違和感なさげにできそうじゃん?。 まあ安価で揃えらられるといっても、そこそこの金額はかかってしまいましたが。 塩ビ板の切った貼ったでもいいのですが、やはり一枚物のほうが強度的にも信頼性が高いでしょうし。 ただ2mmとかの板厚になると、普通のPカッターなんかだと切り欠きなどの加工は難しそうですね。おとなしくジグソーなんかでやったほうがいいのかも知れませんね。 まあ今回は多分そんな複雑な加工はしなそうなんで。 ひとまず小さいほうの塩ビ板でCintiqにひっかけるのに適切な寸法は曲げ加工の練習をして、実際には大きいほうの板を切り出して実際の加工を行おうという算段です。 まずはヒーターキットを使う準備をします・・・って使うどころか部品だけじゃん!、なにこれ作らなきゃいけないのかよ!!。 まーだから”キット”って名前がついるんですかね。 あーもう適当。 寸法取りとか面倒なので、ヒーター位置は目見当で。 タッピングビスだしベースの木はしょぼい材なので、そのままドライバーで押し込みます。 組立説明書をよく見るとこのヒーターはアクリル用になっていて、塩ビなどを加工するのにはもうちょっと温度を下げる必要があり、別売りのヒートコントローラーが必要とのこと。 まーとりあえずは塩ビ板の曲げ加工がどんな感じなのかが解ればいいや、的な感じなので、多少塩ビ板が溶けてもいいやという方向で。 そもそもどの位置で曲げるのかという情報が全くないので、曲げたものに対してもっと手前で曲げるべきか奥にするべきかなどの判断を行うために、適当な位置でコの字型に曲げてみます。 最初は明らかに曲げ位置が広すぎてCintiqの厚み以上になってしまったので、だいたい厚みくらいになるように調整します。 ちょうどRのついているあたりに当たるか当たらないかの厚みに調整します。 所詮は手曲げなので、曲げ角を90°ではなくやや鋭角気味に入れればそれっぽくなりますね。 寸法を調整するために何度か曲げたり伸ばしたりしたので、見た目は曲げ跡がついていますが、これを叩き台としてCintiqにひっかけるのに適当な寸法を出すことができました。 さらに、RazerNostromoをひっかけるために邪魔にならないとっかかり部分を作れば、個別部分の寸法決めができました。 寸法公差とか曲げRの大きさとか曲げの伸びとか考えなくていいから、楽でいいわ。 まあ元板金加工業的に言えばこんなの加工のうちに入らないレベルですよね(笑)。 まあこれだと見た目的な問題以上にRazerNostromoの位置が上過ぎて使いにくいし、横幅も広すぎるので、今度は大きい塩ビ板でもっと長くて細い材を切り出して、それを同様に加工していこうと思います。 大きな塩ビ材をPカッターで半分にします。 300×450mmなので300mmを半分にして150×450mmの材にして使います。 Cintiqの画面ギリギリに配置すると板面の端から若干はみ出しますが、RazerNostromoを安定させるにはこれくらいの幅は欲しいところなので。 ひたすらPカッターで同じところを切っていき、半分くらいまで削るとそこから塩ビ板が見事に割れました。 切断面はバリ取りはヤスリとかでやるのが本当なのでしょうが、面倒なので普通のカッターでバリを削ります。思わず深く入り過ぎたりしてバリ取りなんだか面取りなんだかわからない微妙な加工になりましたが。 曲げ位置は先程の試作品でだいたい出ているので、その位置に修正ペンで複数個所にざっと印をつけます。 材料が黒なので、白のマーカーとかが本当はよかったのですが、ウチで白い字が書けるものといえば修正ペン程度だったのでそれで代用。 マークした曲げ位置に沿ってヒーターに当てて加熱していきます。 するとヒーターに当てた部分が柔らかくなっていきますので、それを手で少しずつ曲げていきます。 試作品より学んだ事ですが、早く曲げすぎると曲げの外側では樹脂が完全に伸びきらずに千切れてしまいました。もっとゆっくり曲げていかないとダメみたいですね。 今回は失敗を生かしてまあまあいい感じに曲げられました。 Cintiq上面にひっかけるコの字フック部は誤差が大きいので寸法を見直そうと思っていたのですが、キズ防止のためのゴムシートを張り付けるスペースなんかも加味すると余裕がなければいけないので、そのままの寸法で加工します。 次に下部の約10mmのひっかかりの加工。 RazerNostromoのパームレストの下にある筐体にひっかけられるようになってます。 これでRazerNostromoを保持します。直立じゃなければRazerNostromo自身のゴム足もあることですしそこまで動くこともなさそうです。 塩ビ板面に角材などを張り付けて、それとRazerNostromoの中央の穴部分を使って本体を固定する案も考えましたが、丁度いい材料が手元になかったのと接着の強度について疑問だったので今回はフランジを立ててデバイス固定部としました。 最後にCintiqと接するフック部の内側にはゴムシートを適当に切って貼り付けます。 バリ取りとか表面加工は適当なので、そのまま装着したらCintiqがキズモノのになりかねないですからね。 こうして遂に「CintiqHD24用左手デバイス置き場」が完成しました!!。 そもそも手曲げなので曲げRが幾つなのかとか材質の伸びがよく解らなかったのですが、実物をウソ検査した結果、凡そ手曲げのRは4mm/伸びは2.5mmと出ました。 まあ所詮ハンドベンドの結果ですので、2.5mmなんていう伸び値はその時の曲げ方によって変わってくることでしょうし、あくまでも今回のだけの結果なのかもしれません。 試作完成品を基に作ったのが以下の図面です。 まー実際できたのはかなりウソくさいモノなのですがね。 ちなみにこれ、左右どちらでも対応できますよ!!(笑)。 加工自体別段難しい形状ではないのですが、限りある材料の中で適切な寸法出しなんかに結構がかかってしまい、結局絵描きどころではなくなってしまいました。 絵を描くために絵を描かない日々が続いとるな・・・・・・。 これの応用でキーボード置き場も作れるかもしれません。 今度暇なときにでもやってみようかなー。 <iframe src="http://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?t=lowtechcity-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B00AQBASAU&ref=tf_til&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe><iframe 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| ヲタク::PCとか | 01:34 AM | comments (x) | trackback (x) |
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